新翻訳事業について

聖書事業懇談会 新しい聖書翻訳の課題と展望 樋口 進氏

樋口 進氏
2014年5月22日
於:毎日インテシオ

序

ルカは、使徒言行録2章において、聖霊降臨日に弟子たちがいろいろな国の言葉で語った事を伝えています。これは、世界伝道が意図されている、と思います。すなわち、神の言葉が世界中に伝えられるには言葉の障壁が取り除かれなければならない、ということです。2:4には、「すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした」とあり、2:9-11には、「わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、フリギア、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。また、ローマから来て滞在中の者、ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは」とありますが、これは当時知られていた全世界が意図されています。そこで、ルカは、文字通り、言葉の障壁が取り除かれ、神の言葉が全世界に伝えられる事を展望していたのではないか、と思います。聖書は、最初から神の言葉が世界中の言語に翻訳される事を目指していた、と言えると思います。事実、聖書は、歴史において、世界中の国の言葉に翻訳されてきました。そして現在においては、日本聖書協会の2013年度の『日本聖書協会年報』によると、2551の原語に翻訳されている、ということです。これほど多くの言語に翻訳されている書物は、聖書をおいて他にないでしょう。まさに、どこの国に生まれた人でも、自分の言語で聖書を読む事ができるということで、ルカが思い描いた事が現実になっているということができます。

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