新翻訳事業について

日本聖書協会 講演会 原文の味・訳文の味 柊 曉生氏

柊 曉生氏
2015年3月6日
於・フクラシア東京ステーション

Ⅱ 語数の問題

そこで次に、お話しするのは旧約聖書の原文の単語の数についてのことです。「申命記」(マソラ・テキスト)の巻末には、モーセ五書の節、章、単語、文字の数が書き記されています。おそらくこれは、申命記4章2節の「わたしがあなたがたに命じる言葉に付け加えてはならない。また減らしてはならない」とも関連することではないかと考えられますが、一字一句間違えないで伝えるためか、暗唱のためか、その他の理由かによるものか、きちんと単語の数などを数えるという伝統があったものと思われます。

聖書の本文においても単語数を数えて書いている箇所があります。ただこうしたことを翻訳に反映することはなかなかできません。そうした意味で、これは翻訳の裏にある話です。

(1)創世記1章3節-31節(天地創造)

P.ボーシャンは、『創造と分離』(Paul Beauchamp,Création et Séparation.1969)という本の中で、創世記1章の6日間の創造の記事が、以下のような単語数で構成されていると分析しました。

第1日目 31語 69語 207語 =3×69 「神は言われた」=5回
第2日目 38語
第3日目 69語 138語
第4日目 69語
第5日目 57語 206語 「神は言われた」=5回
(22節の「言われた」は別)
第6日目 149語
第1~6日 413語 413語 =7×59

彼は前の4日が207語、後の2日が206語の一語違いで書かれ、それぞれ天の支配と地の統治で最後が結ばれており、どちらも「神は言われた」が5回ずつ配置され、二部に分けることができるとみます。6日間の単語の総数が7の倍数の413語であるというのも計算されて書かれたことの証左でしょう。

ちなみに、出エジプト記25章から31章にかけては、聖なるテント(幕屋)建設の指示の記事がありますが、そこでは7回、「主はモーセに言われた/語られた」)という語句が差し込まれており、最後の7回目の箇所ではちょうど7日目の安息日のことが述べられています。

このページに関するお問合せは
一般財団法人 日本聖書協会 翻訳部
〒 104-0061  東京都中央区銀座 4-5-1
TEL.03-3567-1989  FAX.03-3567-4436  E-mail. transl@bible.or.jp

ページの先頭に戻る

1997-2014(c)Japan Bible Society, Allrights reserved.  当サイトに掲載されている情報の無断転載を禁止します。