新翻訳事業について

日本聖書協会 講演会 「それでも新聖書翻訳」 津村 春英氏

津村 春英氏
2015年4月10日
於・梅田スカイビル・タワーイースト

4.文法上の解釈  主格的属格と対格的属格
1)ピスティス クリストゥー(イエスークリストゥー)
 「キリストへの信仰」か「キリストの信」か

1980年代以降、英語圏のパウロ書簡研究で議論され、日本でも1995年ごろから後者を支持する研究者が増えている。ガラテヤ2:16; 3:22、ローマ3:22, 26、フィリピ3:9など。

2)アガペー トゥー パトロス(セウー)
 「父(神)への愛」か「父(神)の愛」か

上記1)ほど着目されていないが、ヨハネ一2:15、ヨハネ福音書5:42、ルカ福音書11:42など。
拙著『「ヨハネの手紙一」の研究』(聖学院大学出版、2006, pp.69-72; p.197)参照。

おわりに

近年の神学研究の成果をふまえることや底本のネストレ改訂新版からの反映などは、新聖書翻訳においては当然のことであるが、今回の新しい聖書は、礼拝(典礼)で使用されることを前提とし、また、必要最小限の説明を付した、信徒の方々にも親切な聖書が望ましいと考える。今や教職者だけが知っているという時代ではないからだ。また、『NHK新用字用語辞典』に準拠した言葉づかいは現代的であるが、「義しい」「義人」、「宣べ伝える」「宣教」、「贖う」「贖い」、「憐れむ」「憐れみ」、「赦す」「赦し」、「証しする」「証し」、「献げる」、「禍い」、「聖い」など、必要と思われる漢字は残すほうが良いと思われる。いずれにせよ、30年に一度の大事業、しかも、「神の言葉」としての聖書翻訳は、祈り無くしては完成しない、と思うのは私だけではないだろう。

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