新翻訳ニュース バックナンバー

新翻訳事業の進捗状況

 2016年度は、翻訳が大きく前進した年でした。新約は全ての書が翻訳者の手を離れただけでなく、2016年11月には、編集委員会での検討が終わりました。旧約、続編とも現在ほぼ翻訳者の手を離れ、編集委員会での検討が続いています。2017年には、7つの編集委員会が開かれ、2017年の12月には、聖書全体の検討が終わる予定です。翻訳者、編集委員、そして外部モニターと朗読チェック者のご労苦により、2016年度も翻訳作業が大きく前進した年となりました。編集委員会が終わりますと、パイロット版として一般読者の方々に見ていただき、ご意見を伺いながら訳文を確定して行きます。  恒例の翻訳者の春合宿を2016年3月20日(日)~25日(金)に静岡県裾野市にある聖心会裾野マリア修道院 黙 想の家で行い、26名の参加者がありました。夏合宿も9月4日~9日に同じ場所で25名の参加者がありました。訳 語検討会では、聖書の重要語の訳語調整、統一を進めています。 (2017.2.23)

サナトス(左) ネクロシス(右)

攻城兵器

 毎年、春と夏に翻訳者の方々と合宿を約一週間行っています。週の後半は、訳語検討会を開いて多くの訳語を検討し、決定しています。今回興味深かったのは攻城兵器です。古代では、城壁の中に立てこもる敵をどう打ち破るかというのが、戦いの大きな要で、城を攻める兵器として、四つあると言われています。城壁の壁沿いに土塁を築き、それを高くしていって城壁を乗り越える「攻城土塁」(アッシリア軍がラキシュ攻略に使った方法)、高い塔を作り、それを城壁に接近させていく「攻城塔」、また、重く大きな柱の先を金属で覆い、それを台車に載せて扉を破る「破城槌」、最後に、敵の城を土塁を作って包囲して補給線を断つ「包囲壁」です。生々しい戦闘用語が出てくるのが旧約聖書の特徴です。(2016.10.25)

サナトス(左) ネクロシス(右)

第7回新約聖書編集委員会

 7月23日に第7回の新約編集委員会が開かれ、マタイの前半、使徒言行録、そして第二コリントの検討が終わりました。これで、後はマタイの後半を残すのみとなり、11月に開かれる委員会が最終回となります。
 今回の委員会で大変心に残った翻訳がありました。2コリ4章10節にあるネクロシスという言葉です。従来、「死」と訳されてきたのですが、ネクロシスは、単なる「死」ではなく、死にいくプロセスも含む言葉であるという説明がなされたため、「イエスの死」という従来訳でなく、「死にいくイエス」と訳しました。その結果「わたしたちは、死にゆくイエスをいつもこの身に負って生きています。それは、イエスの命もまた、わたしたちの身に現れるためです」となりました。様々な苦難や迫害に絶えず直面しているパウロが、自らを、死にいく十字架上のイエスと一つとする、その生き方の内に、実は、復活のイエスの命が現れるという、パウロの理解と思いがより現れる結果になったと思います。

サナトス(左) ネクロシス(右)

「サナトス(左)」普通の死を指す言葉。
「ネクロシス(右)」死につつある状態、あるいは死んでいる状態を指す言葉。

(2016.7.29)

「旧約と続編の前進の年」

「2016年春合宿」

2016年3月の合宿
マカバイ記一の翻訳者委員会の様子

 昨年は、新約聖書の翻訳が大きく前進した年でしたが、今年は旧約と続編の年です。
本事業では、原語担当翻訳者の原稿(第一稿)を日本語担当翻訳者(詩人や文学者、日本語学の先生がた)が改定案を出し(第二稿)、二人で話し合ったものが第三稿となります。その第三稿を、別の原語担当翻訳者と日本語担当翻訳者が見て、よりよいものにしていくというプロセス(翻訳者委員会)があります。
この翻訳者委員会までが最も大切で、かつ大変時間がかかるプロセスなのですが、昨年は新約の約8割にあたる部分で翻訳者委員会が終わりました。新約に比べて遅れていた旧約と続編ですが、翻訳者の先生がたが多くの時間を割いて努力してくださっている結果、今年は、旧約と続編でもほぼ終わる見込みがついてきました。
翻訳者委員会が終わりますと、翻訳者以外の専門家に見ていただいて改訂するという編集委員会となります。新しい聖書も出版の日が射程に入ってきました。(2016.5.2)

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