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ルカ学校における現代のイコン美術

イコン美術は、「視覚による神理解」としても知られている芸術の一種である。これは古典的な芸術形式で、ある人々はそれがキリスト、聖母、ペトロとパウロを描いたとされる聖ルカによって始められたと信じている。中世のころから、殆どの会衆が読み書きのできない中で、福音を容易に伝えるために東方キリスト教教会により広く用いられてきた。

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ゲラチ修道院の大聖堂内部の古代壁画

芸術家のザカリア・シオシヴィリ氏によって描かれたイコン


グルジア共和国では、そのほかの東欧や地中海の国々と同様に、主要な聖書の人物や場面を示したイコンが教会や修道院の内部に描かれてきた。これらのイコンは、グルジアの文化とアイデンティティにおいて、重要な一部となった。

ビザンチン様式

これらのイコンは全て、4世紀頃に発展しビザンチン様式により描かれている。これは、正教会がビザンチン様式を認可し、全てのイコンがこの方法により描かれなければならないと命じたからである。今日においても、多くの新しい教会が国中に建てられているのにも関わらず、グルジアの正教会はビザンチン様式のイコノグラフィーを強要している。
 だがグルジアのイコン画家には、この型を破り、彼ら独自の様式のイコノグラフィーを作り出している者たちもいる。グルジアのバプテスト教会が、ルカ学校とベテリ・センターを通して奨励していることでもある。ここで、アーティストのザカリア・シオシヴィリ氏はバプテスト教会やその他の顧客のためにイコンを制作し、他のアーティストたちにイコン美術を教えている。

より象徴的に
ザカリア・シオシヴィリ、イコン画家

 「イコンは聖書の場面を描いた西洋の絵画とは異なります」とザカリア氏は説明する。「ルネッサンス絵画は、例えば、非常に現実的で物質的な細部にこだわる。イコノグラフィーはより象徴的で、ある一場面の霊的な意味を強調するのです。」  グルジア共和国内の教会や修道院に描かれた、何世紀もの前のビザンチンのイコンを称賛しつつも、ザカリア氏は今日のアーティストたちが彼らのイコノグラフィー様式を発展させる自由が必要だと感じている。
 「イコンをその古い様式で描くように強要されるのは、単に模倣しろと言われているようなものです。―何も創造せず、表現してはいません」と彼は言う。「この古い様式は、現実の世界で起きていることや、人々が感じていることを見もせず、考慮もしません。自由は、芸術においてとても大切なことです。もし、過去のイコノグラフィーの例を取ってみるならば、各イコンはみな異なっていました―人々は彼ら自身を表すことができていました。ロシア、グルジア、ギリシアのイコンは異なり、異なる文化的な印を持っていたのです。」

伝統を破る

 ルカ学校は、二つの局面において伝統を打ち破っている。正教会で認められているビザンチン様式のイコンを作成していないばかりか、バプテスト派のイコン美術学校が存在しているということ自体が、矛盾している―プロテスタント教会は、宗教改革にまで遡ってイコンの使用を禁じている。グルジア共和国の福音主義バプテスト教会の長である、マルカズ・ソングラッシュヴィリ牧師は、なぜバプテスト教会でイコンが制作され使用されているのかを説明する。

確かにグルジア人のもの

 「過去において、バプテスト教会は芸術品を置くことはしなかったのですが、15年ほど前にグルジアのバプテスト教会は幾つもの改革を行い、正真正銘のグルジアの教会になることを求めたのです。イコンはグルジアの文化遺産として重要な部分を占めていて、福音のメッセージを伝えるのに効果的な方法です。ルカ学校で制作されているイコノグラフィーの様式は、確立された正教派の伝統からは異なるものですが、それは正教の信徒たちにも充分に親近感があって、理解できるもので、もし、バプテストの教会に来られることがあれば、「自分の家」にいるかのような思いを与えることができるものだと言えるのです。」


(ワールド・レポート2008年 1月号)


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