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ネパール語聖書が、とても必要なのです。

聖書協会世界連盟 (UBS)が毎年更新している「聖書翻訳言語報告」によれば、、聖書翻訳が可能とされる6,900言語のうち、聖書が一巻以上訳されている言語は2007年12月末現在2,454言語である。そのうち聖書全巻が一冊の書物として訳されているのは438言語にすぎない。
 この数字を少ないとみるか、さらに翻訳への意欲をかき立てられるのかはその人の見方によるだろう。しかし、実際に翻訳に携わっている人たちにとって、恵みは大きい。なぜ翻訳の始まりから、その完成までに多大な時間を要するのか疑問に思う人もいるだろう。それにはいかにして翻訳プロジェクトが生まれ、翻訳をするのに適任と思われる人々にどのようにして仕事が割りふられ、そしてまた、遠い地で監督をする聖書翻訳指導員とのコミュニケーションがどう効果的にとれるか、ということを理解する必要がある。日々の生活の中で翻訳作業を行い、質の高い聖書翻訳を生み出すのは、実に大変なことなのである。

現在2,454言語の聖書が翻訳されている
―UBS聖書言語レポート2007より―

2007年には、9つの聖書と34の新約聖書がUBSのレポートに翻訳済言語として新たに登録された。このレポートは、UBS保管図書館のひとつに保管された完全な聖書、あるいは聖書の一部分(改訂版も含む)の記録を載せたもので、2007年12月31日現在で2,454冊となった。

聖書のメッセージを入手しやすく、理解できるものとすることは聖書協会の活動の中心である。世界の主要言語といわれる英語、フランス語、スペイン語が広く話され、読まれている一方、人々に神様が最も力強く語りかけるのが、人々の「母国語」を通してであることは間違いない。このため、聖書協会では全ての人々に母国語の聖書を届けることを目的に絶えまなく働いている。

世界の聖書翻訳言語数
最近の翻訳例

2007年12月には、カメルーンにて初のブーテ語の聖書が頒布された。式典は、ひどい豪雨に見舞われたにも関わらず、人々は聖書を手に入れようと喜んで列に並んだ。これはほんの一例で、この他にもオーストラリアのクレオール語、グアテマラのチュフ語などで聖書が初めて翻訳された。
 「人々は、神様が彼らに何と語っているのかを、本当に知りたがっています。」とグエン・トレムレット氏。「初めて彼らの言語で聖書が読まれるのを聞く人々の顔を見るのが、私の仕事の最高の瞬間なのです。」

世界の聖書翻訳状況
完全な聖書

一冊の新約聖書、または完全な聖書が翻訳され、発行されるまでには何年、何十年もの困難な状況下での学術的調査、教会との「信頼」関係の構築、地道な翻訳作業が伴う。さながら聖書の一巻でも翻訳され刊行されるということは、この長いプロセスにおいて意義深い節目となるものなのである。

献金によって

UBS加盟国(145ヵ国)では、世界中で現在進行中の564の翻訳プロジェクトに関わっているが、これらは全て個人や教会からの献金によって賄われている。

聖書翻訳指導員(Translation Consultant)とは

UBSでは世界中から聖書翻訳指導員を採用し、研修を行っている。彼らは総数およそ600の翻訳プロジェクトに携わり、それぞれの分野の専門家として、完成した翻訳の一貫性と質を保つのに重要な役割を担っている。
 各言語の翻訳者は様々な背景を持ち、現地語を話す地域のコミュニティメンバーの教育レベルにはばらつきがあることが多い。教育を受けたことが全くないか、ほんの僅かしか教育を受けていない者もいれば、神学の研鑽を積んだ者もいる。だが、多くの者は聖書翻訳に必要な聖書学、神学や人類学といった類の正式な教育をほとんど受けていないのが実状である。
 世界聖書協会連盟のジョン・エルウォルド博士は、「翻訳者や注解校正者たちの働きの焦点が“受け手”の言語に向けられているとすれば、聖書翻訳指導員(あるいは、その国の聖書協会の翻訳部員)の主な仕事は、新しい翻訳の質を確かなものにすることで、とりわけ、ギリシア語(新約)とヘブライ語(旧約)の原典に忠実なものにすることです。」と語っている。
 「私たちは、翻訳者や校正者がその言語使用において、出来る限り創造的であるように励まします。それによって、オリジナル言語の内容を正確に意味深く表現してもらうのが狙いです。これがどのように出来るかはプロジェクトによって異なりますし、それに関わる人々の能力のレベルやタイプによっても異なります。」
 聖書翻訳指導員は、翻訳者や校正者の仕事に必要な研修を準備し、聖書翻訳の妨げとなる可能性のある難しい神学的概念や、文化的な意識を取り上げるようにしている。この研修では、翻訳者にとって役に立つような神学的参考資料を紹介している。翻訳プロジェクトが始動すると、聖書翻訳指導員は担当地域の翻訳者たちを定期的に訪れ、その仕事の進行状況を確認する。

改訂版

数多くの聖書が初めて翻訳されるのに対し、その他の言語では、すでに存在している古い聖書の版を改定するための新しい翻訳が準備される。現代の読者に聖書をより分りやすい言葉で提供するためである。

UBSの聖書翻訳支援ソフト――パラテクスト

過去に聖書翻訳に関わってきた翻訳者たちは、数多くの参考文献を手にしながら翻訳に携わらなければならなかった。たとえば聖書の異なる版、辞書、注解書やコンコルダンスである。これらの参考文献をテーブルや椅子に置きながらの作業は決して楽ではなかった。だが、現在UBSの聖書翻訳指導員が指導しているプロジェクトでは、「パラテクスト聖書翻訳ソフトウェア・プログラム」を使用している。このソフトウェアは聖書翻訳指導員であったレニエ・ド・ブロワ博士の着想によって1997年に開発された。パラテクストの導入によって、聖書翻訳作業は格段に進歩したのである。今ではUBS内部と、外部の翻訳協会などを含めた3,500人ほどに広く用いられている。

「パラテクストは、翻訳者が画面上に幾つもの異なる聖書の版を並列して見ることを可能にしてくれます。一つのテクスト箇所をスクロールすると、その他のものも連動して動くので、翻訳している節を並べて参照することができます(画像参照)。聖書の同じ箇所を違う版で何ページもめくって作業しなくてはならなかった人たちは、このソフトにとても感謝しています。」と退職した聖書翻訳指導員のナイジェル・スタータム博士は語っている。


参照:ワールドレポート2008年4月号(no.420)、World Scripturesウェブサイト
(UBS Scripture Language Report 1998  http://www.worldscriptures.org/


最新の翻訳状況をお知りになりたい方はこちら(英語版です)→ About UBS

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