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チリで南米初のロマ語新約聖書が売り出されました

フアン・ニコリッヒ氏は、ロマ語新約聖書の三人の翻訳者の一人である。出版するにあたり、チリ、サンチアゴの国立図書館で2008年6月に公読した。

チリ――7月にロマ語の新約聖書が、首都サンチアゴの国立図書館で発売されました。

翻訳者は、少数民族ロマの兄弟、フアン氏とヨルゲ・ニコリッヒ氏、そして翻訳コーディネーターでロマ語と聖書言語の専門家のカルロス・ヘルナンデス氏であり、4年ほどかけて完成させたものである。フアン氏もヨルゲ氏も両者とも、世界聖書協会の翻訳者トレーニング・プログラムから技術と言語学のトレーニングを受けた。翻訳コンサルタントは、ティト・ラハイエ氏であった。

彼らの功績は、南米発のロマ語の新約聖書を出版したことである。

少数のロマの人々は福音派クリスチャンであり、幾人かは福音書を母国語に翻訳するために何年も費やし、チリ聖書協会(CBS)からのたびたびサポートを受けてきた。

CBSとロマの人々への宣教を支持する長老派教会の助けにより、福音書の部分と分冊がすでに出版されてきた。だが新約聖書の翻訳が始まるまでは、ロマ語の正式なつづり方は存在していなかった。翻訳チームが向き合わなければならなかったチャレンジの一つは、文字を発展させるということであった。

昨年の9月に翻訳がほぼ終わった時、チリ聖書協会の出版コーディネーターであるエドワルド・カリッジョ氏とデザイナーのフェルディナンド・ガリッド氏、そして総主事のフランシスコ・ヴィグエラ氏は、ブラジル聖書協会(BSB)の出版センターと共に出版のプロセスを企画するためにブラジルを訪れた。

6月19日のお披露目に列席したのは、マプチェ族の代表者たち(一致団結して集まっていた)、世界聖書協会連盟と聖書協会のスタッフ、教会、そして政府の代表者たちであった。

ヴィグエラ氏は出版に関する講演をし、牧師であり聖書協会の理事長であるパブロ・アルヴァレズ氏は翻訳の企画に関して説明をし、この出版は、ロマ語を話す人たちのみならず、チリの豊かな文化へ貢献する意義深い事業であると述べた。

フアン・ニコリッチ氏は、彼の立場からこの仕事を聖書協会が任せてくれたことに関して感謝を述べたが、意図的な皮肉として「我々はジプシーだから」だとし、仕事を完成するのに必要な資源を支給してくれたことにも感謝を表した。

初版としてブラジル聖書協会は5,000部を製作した。新しい翻訳が読みやすいように活字が大きくなっており、ある読者たちには分かりにくいと思われるような部分には挿絵が添えられ、理解を助けるように作られた。

ロマの人々の公民権が確固たる立場を得る

出版記念式典にて。
二人の踊り手とギター演奏者の公演。

チリにおけるこの新約聖書の出版は、スペイン語のニュースに詳しいEFEの出した記事によると、米国のみならず欧州においてもしばしば脇に追いやられ、差別されてきたロマの人々が市民権運動で立場を獲得してきた時期と重なった。

ラテン・アメリカにおけるロマの人々の人口は、150万人とされ、その内ブラジルにはおよそ80万から100万人の人々が住み、アルゼンチンとコロンビアに多くのグループが存在する。

「ジプシーたちは大体において、手相占いの職、馬の養育、銅製品、中古車やくず鉄の仕事に従事し、そのことによって社会から疎外されている。」とその記事は語る。

ロマの人々が欧州、スペインからコロンビアに移動してきたのは20世紀初頭であったが、1998年まで民族グループとしては正式に認められていなかった。

ブラジルにおいても状況は類似しており、25万人ほどが依然として遊牧民的な慣習を保っているため、政府はどのようにして彼らの権利を申し立てるかを述べた小冊子を最近発行した。

チリでは、ロマの人々の疎外されている状況はより顕著である。政府組織は彼らの人数が6~8千人であるとするが、その数は正式な人口統計には現われてこない。彼らは伝統や言語を保持し、半遊牧民的な生活で都市から都市へと移り住み、小さなテントでの生活を続けている。


(ワールドレポート 2008年 9月号)


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