総主事 渡部 信
General Secretary Makoto Watabe
中国教会訪問記
  7月6日(火)から12日(月)の1週間にわたり中国キリスト教協議会(CCC)の招きを受けて日本キリスト教出版販売団体9名が訪中し、北京、上海、南京の各都市の中国キリスト教協議会、三自愛国委員会の指導者と会談の時を持ち、親交を厚くする機会が与えられました。

  特に今回の訪中は今年4月にCCC訪日団がNCCを通して4年振りに日本を訪れたその返礼として招待を受けたもので、今まで断片的、かつ間接的な情報に頼っていた日本キリスト教界にとって、大変有意義な訪問であったと思います。

  そこで中国キリスト教界の内容を少しご紹介致しますと、中国キリスト教会はCCCの公式報道では1999年現在、信徒数1,300万人、教会数13,000、伝道所数(無牧師)25,000、神学生数13,000人、聖書頒布数は1987年前に300万冊、1987年愛徳聖書印刷所設立以後は2,300万冊で、1999年は300万冊頒布予定だという。

  CCCは中国キリスト教三自愛国伝道委員会と母体を同じくし、その他としてカトリック教会が独自の組織を持ち、また「家の教会」と呼ばれる未登録の教会が散在しているとのことです。それ故、一説には信徒数6,300万人、家の教会数2~3万とも言われている。

  ともかく文化大革命で痛手を受けた教会が1979年に再開し、ここ20年間で急成長を遂げ、3分の2はそれ以降の新しい教会だと言うことです。現在、聖書販売は自由ですが、一般書店ではなく、全国65の教会の文書販売所で普及版旧新約聖書が12元(180円)で売られていました。これは聖書協会世界連盟からの援助で誰でも求めれば自由に買える値段に設定されております。

  約150年前、中国は日本と同じく海外の宣教師によってキリスト教活動がもたらされましたが、1949年に中国共産党が成立後、日本とは別な形でキリスト教活動が継承されることになります。それは植民地主義侵略の反省として、自立(中国人の教会)、自養(中国人で自給)、自伝(中国人が中国人に伝道する)の三自愛国委員会が中国キリスト教会内に組織され、海外キリスト教団体介入なしの、教派枠を越えた唯一で独自の中国キリスト教会が誕生することになりました。

  この時は信徒数70万人を数えていたが、1969年からの文化大革命で教会や信徒の財産が没収され、聖書やキリスト教書物も焼かれて壊滅状態に陥ったにもかかわらず、1979年に教会が再開してからは信徒数1,300万人へと急成長したことになります。公けのマスコミ伝道が禁じられていることがかえって、個人伝道に弾みがつき成功しているようです。

  彼らの言葉を借りると、頭はキリスト、体は教会、片手はCCC、もう片手は三自愛国委員会で、これらが総合して中国のキリスト教会が機能しているとのことでした。しかし、中国共産党の政策下にあることも事実で、三自愛国委員会は中国政府との政策窓口になっている。

  「家の教会」にも3種類あって、(1)牧師がおらず、集会を守っているが教会へと帰属するタイプ、(2)三自愛国委員会に属さず、独自に集会を守っているタイプ。(3)統一教派を嫌い分派的信仰者の群れのタイプなど。また教会の献金や財政は全て免税だということでした。

  神学院などで中国キリスト教神学教育の実態をお伺いした所、(1)聖書主義、(2)過去の教会の伝統を重んじ、(3)状況に適応する、この3点を挙げられた。神学生の3分の1は女性で、女性牧師も多いと聞いている。信仰告白には使徒信条を規範とし、過去の教派色をそれぞれ遵守しながら、中国の置かれた歴史的状況で中国独自の教会建設を目指しているようです。

  知的神学教育はこれからで、非常に素朴な信仰姿勢を2,000名余りが出席する教会の日曜礼拝に出席し感じ取ることができました。文化革命の影響で老年と世代の空白期間が20年間あり、40歳代の若い方々が中国教会の指導者として担い始めようとしていました。(訪問団の訪問先は北京:北京CCCと燕京神学院。上海:中国CCC本部と華東紳学院、国際教会。南京:愛徳印刷所、金陵協和神学院、莫愁路教堂など。)
1999年7月
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