総主事 渡部 信
General Secretary Makoto Watabe
聖書100万冊をキューバの人々に

傷みの激しい聖書(ハバナにて)

キューバ・バイブル・コミッション アレイン・エルナンデス総主事(右)

  今年になってアメリカ聖書協会から「是非キューバの現状を視察してみないか」という提案を受け、去る6月20日、キューバの首都ハバナにある「キューバ・バイブル・コミッション」事務所を訪れた。1959年の革命以降、社会主義政権を樹立してきたキューバでは、長きにわたるアメリカによる経済封鎖の下、キリスト教関係者の自由な出入国は制限されていた。しかし近年、1990年後半までにキューバはほとんどのラテンアメリカ諸国との経済的関係を構築し始め、欧州連合との関係も改善し、キリスト教伝道も活発にされるようになった。
  聖書を求めるキューバ人の数が建国史上稀にみる勢いで飛躍的に増加しているレポートを受けた聖書協会世界連盟(UBS)では、2012年に『聖書100万冊をキューバの人々に』というプロジェクトを立ち上げた。日本聖書協会もこのプロジェクトを支援するため、今回初めて「キューバ・バイブル・コミッション」事務所を訪れた。新市街の大使館通りに程近い住宅街の中、かつてアメリカの外交官の別邸であった建物をキューバ・キリスト教協議会(CCC: Cuban Council of Churches)は使用している。CCCでも、各国の教会協議会同様、プロテスタント諸教派とともにカトリックを含んでいる。ジョエル・ドピコ理事長、アレイン・エルナンデス総主事他、カトリック、ギリシャ正教の代表兼理事ら計4名が出迎えてくれた。ドピコ氏はキューバのNCC議長を兼ね、エルナンデス氏はブレザレン教団神学校の元校長である。その建物の一角、2部屋がバイブル・コミッション事務所の活動拠点であり、わずか6畳ほどの狭い部屋で車座になっての表敬訪問および即席会議だった。気になったのは訪れた時は在室していた軍服姿の男3人が、途中から姿を消した点だ。
  キューバでの聖書製作技術はインフラ面・人材面でもまだ乏しいと聞いた。国内で印刷・製本した聖書、もしくは安価な紙を使用した海外製の聖書は、高温多湿のキューバにあって、平均して約6か月でボロボロになってしまうという。驚きだ。今回のプロジェクトの要は、海外製の質の良い聖書をキューバの教会を通じて人々に無料で頒布することだ。UBSではこの「バイブル・コミッション」事務所を窓口にし、聖書100万冊頒布のための経済的支援を募金で賄う計画を立てた。プロジェクトの募金目標額は総計5億円。2年が過ぎた現時点においてプロジェクトの25%が達成されている。日本聖書協会も、2015年度はスペイン語聖書「スタデイ・バイブル」製作を支援する約束をした。「今、キューバではリバイバルが確実に起きている。人々は切に聖書を求めている。」と語ったエルナンデス総主事の熱のこもった眼差しが忘れられない。
  キューバの状況は30年前の中国の文化大革命後と似ている。カトリック60%、プロテスタント25%の比率を保つキリスト教国でありながら、長年の経済封鎖の影響で物資が圧倒的に乏しく、かつ生活は厳しい。質の良い聖書を市民が入手するのは正直難しいのが現状だ。50年代製のクラシックカーが未だ現役で走っており、流通貨幣のキューバ人民ペソ(CUP)の価値は1ドルの25分の1しかない。つまり海外からの輸入品は25倍の高値となる計算だ。
  日本聖書協会も今年の募金目標額を200万円と定め、皆様からのご支援を広く募りたい。是非、このプロジェクトを祈りに覚え、一人でも多くのキューバの方々にみ言葉を届けられるよう、日本聖書協会の募金を支援していただきたいと切に願っている。

2014年7月
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