今日の聖句
2021年4月1日
洗足木曜日
イエスの苦しみ
ところで、祭りの度に、総督は民衆の希望する囚人を一人釈放することにしていた。
時に、バラバ・イエスと言う名うての囚人がいた。
ピラトは、人々が集まって来たときに言った。「どちらを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか。それともメシアと言われるイエスか。」
人々がイエスを引き渡したのは、妬みのためだと分かっていたからである。
ピラトが裁判の席に着いているとき、その妻が彼のもとに人をやって言わせた。「あの正しい人に関わらないでください。その方のために私は今日、夢で非常に苦しみました。」
しかし、祭司長たちや長老たちは、バラバを釈放して、イエスを死刑に処してもらうようにと群衆を説得した。
そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、人々は、「バラバを」と言った。
ピラトが、「では、メシアと言われているイエスのほうは、どうしたらよいか」と言うと、皆は、「十字架につけろ」と言った。
ピラトは、「一体、どんな悪事を働いたというのか」と言ったが、群衆はますます激しく、「十字架につけろ」と叫び続けた。
ピラトは手の付けようがなく、かえって騒動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の前で手を洗って言った。「この人の血について、私には責任がない。お前たちの問題だ。」
民はこぞって答えた。「その血は、我々と我々の子らの上にかかってもいい。」
そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。
それから、総督の兵士たちは、イエスを総督官邸に連れて行き、部隊の全員をイエスの周りに集めた。
そして、イエスの着ている物を剝ぎ取り、深紅の外套を着せ、
茨で冠を編んで頭に載せ、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。
また、唾を吐きかけ、葦の棒を取り上げて頭を叩いた。
このようにイエスを侮辱したあげく、外套を脱がせて元の服を着せ、十字架につけるために引いて行った。
(マタイによる福音書 27:15-31)
『聖書 聖書協会共同訳』より引用