持続可能な世界・社会・教会を視野に

「神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて、これを従わせよ。海の魚、空の鳥、地を這うあらゆる生き物を治めよ。」(創世記1:28、聖書協会共同訳)

2020年が明け、あっという間に1か月が過ぎました。聖書協会の働きは多くの支援者の方々の祈りに支えられ、神の恵みのうちに進んでいます。

現在Amazonで現代経済学部門・売れ筋ランキング第一となっている本に『2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望』(落合陽一著、SBクリエイティブ)があります。若手の科学者で、日本で最も影響力のある落合陽一氏の著書です。今世界全体がどこに向かって動いているのか、どのようなことが変わっているのか、そのようなテーマに深く切り込んだ本です。「所詮未来のことなど誰も分かるはずがない」と切り捨てる方がおられるかもしれません。ただ確実に変化しているという事実がある。好むと好まざるとにかかわらず、このように変わるという現実がある。それが著者の心の深みにある動機です。

その事実(現実)に真剣に向き合い、提言を発している政治家・科学者・実業家の方々の声がある。その一人として落合氏は著書でSDGsについて丁寧に論じています。それは国連推奨「Sustainable Development Goals - 持続可能な開発目標」(略称:SDGs)と呼ばれるものであり、「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」のことを言います。そのSDGsは17のゴールと169のターゲットから構成されており、貧困・環境・人権という課題だけでなく、資源の有効活用や維持、相互協力の輪の形成なども含んでいます。すべての人に関係する内容であり、今後重要なものとなっていきます。まだご存じでない方は「中学生用の副教材」がサイトに掲載されているので、ぜひお読みいただきたいと思います。お勧めします。

●外務省ホームページ情報:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html
●中学生用副教材:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/sdgs_navi.pdf

この背景には地球の温暖化への問題意識だけがあるのではありません。戦後から21世紀初頭(これまでの20年)にかけて世界の政治や経済を動かしてきた経済拡大成長マインドへの反省と、これからの時代を生きる人々を支える行動指針が刻まれているのです。
「競争」の時代から「協力」の時代へ。「所有」の時代から「共有」の時代へ。「無駄な消費や労働」から「適正な運用・有効活用」の時代へ。「戦争反対」の声を上げるだけでなく、「平和と公正」を目指す共同体形成へ。そしてそれらがお題目で終わることなく、具体的な目標を掲げて行うという行動指針となっているのです。将来への投資として考慮すべきものであるという著者の提言は心を揺さぶるものです。

さて、日本のキリスト教会や関連組織はこれにどう反応しているでしょうか? 実は、すでに積極的にSDGsを意識して、試案し変革を試みているところがあります。けれども、残念ですが、そのことを顧みる間もなく今までの行動指針のままで歩んでいるところもあります。では私たち聖書協会も何ができるか? それをあらためて問い直したいと思っています。少子高齢化で「もっと若い人々が教会に集まったらいいね」という議論を多く見聞きますが、それだけでなく、「この地上の被造物を治める」ことを創造の初めに命ぜられた聖書の神の言葉を思い起こしたいものです。「こんなことでよいのだろうか?」という身近で些細な問いの中に、私たちの課題が隠れているのです。神さまからの助けと知恵を求めたいと思います。

2020年2月

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