研究会概要

概要と沿革

概 要


本研究会は、2021年9月2日に発足しました。1969年7月22日に発足し、2010年10月9日をもって解散した同名の日本聖書翻訳研究会の理念を継承し、新たに結成されたものです。

本研究会は、将来の聖書の翻訳改訂作業ならびに新しい聖書翻訳に貢献することを目的として創設されました。活動の柱は、日本語への翻訳を中心とする聖書翻訳に関する調査研究と機関誌での研究成果の公表、および会員相互の交流の促進にあります。

日本語の聖書翻訳は、戦国時代にすでにその萌芽が見られ、現存する最古の和訳聖書ギュツラフの『約翰福音之傳』『約翰上中下書』(1837年、シンガポールで発行)から数えても、すでに200年近い歴史があります。そして1887年発行の明治元訳聖書、1917年発行の大正改訳(新約聖書)、1955年発行の口語訳聖書と、日本語の聖書は、日本のキリスト教界だけでなく、国語や文学、そして文化にも大きな影響を与えてきました。

聖書翻訳の研究には、旧約聖書と新約聖書の原語であるヘブライ語(一部アラム語)とギリシア語だけでなく、日本語学や日本文学、翻訳史など様々な分野の専門家が関わっています。現在はそれぞれの専門分野での研究発表がなされている現状から、聖書翻訳というキーワードで、分野を超えた交流が期待できるのも本研究会の強みといえます。

毎年3月と8月に開催される研究会では、個別発表に加えて、講演なども行っています。年1回刊行される学会誌『New聖書翻訳』には、投稿論文や活動報告などを掲載しています。

沿 革


2009年12月、日本聖書協会の提唱で、カトリック教会とプロテスタント諸教会の翻訳者による新しい聖書の共同訳事業(以下、「聖書協会共同訳事業」と表記)が始まりました。これは、1987年に『聖書 新共同訳』として結実した前回の事業に続く2度目の共同訳事業になります。この事業に関わった翻訳者の聖書翻訳に関する研究成果を発表する場として、2014年5月『New聖書翻訳』が創刊されました。

2018年12月、『聖書 聖書協会共同訳』が発行され、翻訳事業は終了しましたが、「聖書協会共同訳」の訳文と関連事項に関する助言を行う機関として、2020年11月、聖書協会共同訳諮問委員会(以下、SI諮問委員会と表記)が発足しました。第1回SI諮問委員会(2021年3月)において、『New聖書翻訳』を査読制とするための編集委員会の編成と日本聖書翻訳研究会の立ち上げが決定されました。そして2021年9月の第2回SI諮問委員会で、「日本聖書翻訳研究会規約」が承認され、『New聖書翻訳』が研究会の機関誌となることが正式に決定されました。以後、2022年3月から年2回、会員が研究発表を行う研究会を開催し、発表者の投稿論文を掲載する機関誌『New聖書翻訳』を年1回発行しています。

学会組織
(2025年4月1日現在)

  • 会員数78名

  • 三 役

  • 会 長 : 阿部 包(藤女子大学名誉教授)
  • 書 記 : 吉田 新(東北学院大学教授)
  • 補 佐 : 髙橋 洋成(東京外国語大学特任研究員)

  • 役 員

  • 岩本 潤一(前・日本聖書協会総務主事)
  • 浦野 聡(元カリタス女子短期大学教授)
  • 小友 聡(日本旧約学会会長)
  • 春日 いづみ(短歌結社「水甕」代表)
  • 佐藤 裕子(フェリス女学院大学名誉教授)
  • 島先 克臣(聖書を読む会総主事)
  • 戸田 聡(北海道大学教授)