人生は不可思議な賜物!

2019年9月、石川県金沢市にて聖書協会共同訳セミナーが開催され、その時の講師は小友聡牧師でした。北陸新幹線で現地に向かう車両の中で、小友先生からNHK・Eテレ『こころの時代』の企画案を初めて伺いました。先生のご専門である旧約聖書「コヘレトの言葉」について6回に渡り放送されることになった、それが新しい聖書協会共同訳を紹介する機会になれば、と期待を分かち合いました。2020年4月に番組はスタート、しかしコロナ禍で緊急事態宣言が出され、収録ができない状態となりました。始まったばかりの番組は中断を余儀なくされ、このような時期だからこそコヘレトの学びが生かされると思っていた矢先に、私たち関係者は皆深く落胆しました。

それからしばらく企画は宙に浮いたままの日々が過ぎました。コロナ禍の一連の出来事が日本と世界を覆い始めました。各地で感染者や死亡者が増え、事業の倒産も相次ぎ、今もそれらは拡大しています。私たちの周囲からも「教会教勢の減少」「宣教団の活動自粛と献金額の減少」「キリスト教書店の閉鎖」などの報告が聞こえてきました。まさに想定を超えた苦難です。

11月に入り、NHKの番組が再開しました。第二回の放送から舞台設定が大きく変わり、プロデューサーの意気込みを感じました。小友聡牧師と、カトリック信徒であり批評家・随筆家の若松英輔氏の対話が展開されるのですが、緊迫感と言葉の真実さが前回をはるかに超えた形で表現されていました。不条理とも思える現在の状況の中で生きる。企画のタイトルのように「それでも生きる」というコヘレトの言葉の旋律が聞こえてくるようでした。

天の下では、すべてに時機があり、すべての出来事に時がある。(コヘレト3:1)

おそらく、コロナ禍でなくても良い学びの時になったことでしょう。しかし、この苦難の時の真っ只中に語り手も聞き手(視聴者)も置かれることで、蒔かれる聖書の言葉が人々の心により一層根づいていく。そのために神さまが時を司っておられるのだと思うようになりました。これからあと4回、N H K・Eテレ『こころの時代』(放送:第三日曜日午前5時、再放送:同週土曜日午後1時)で放送されます。ぜひご視聴ください。

新型コロナウイルスの「第3波」が来襲しています。クリスマスを前に、大きな集会はほぼすべてキャンセルとなりました。例年皆さまと共に教会で執り行ってきた私どもの【日本聖書協会・クリスマス礼拝】も、今年はYouTubeを用いて配信いたします。ぜひ下記のYouTubeチャンネルにアクセスしていただき、共に主のご降誕をお祝いいたしましょう。

2020年日本聖書協会クリスマス礼拝

このチャンネルでは「聖書に聞く・コロナ時代を生きるために」というテーマで、聖書翻訳に携わった方々へのリモートインタビューを今年の6月から毎月一回、配信しています。これを機にチャンネル登録をしてご覧ください。私どもの活動の近況をご覧いただけます。ぜひご登録・ご活用をお願いいたします。今年のアドベントとクリスマスも、神の恵みと祝福が変わることなく注がれますように、お祈りいたします。

主の恵み

2020年11月27日