賢明なリーダーシップに感謝!

スコットランド聖書協会が横浜支社として北英国聖書会社(National Bible Society of Scotland 現在のScottish Bible Society)を設置した1875(明治8)年を日本における聖書普及事業元年とし、続く1876年に米国聖書会社(American Bible Society)、英国聖書会社(British and Foreign Bible Society)が東京に拠点をおいて以来、その働きは今年で145年目を迎えています。2025年には聖書普及事業開始150年を迎えます。それを記念し、私たち日本聖書協会は150年史の編纂を新年度からスタートします。

活動拠点の移転や統合など幾多の変遷を経て、日本聖書協会(JBS)として正式に独立を果たしたのは1937(昭和12)年です。初代総主事に田中豊次郎氏が就任し、協会組織原案を作成しました。翌1938年には初代理事長に松井米太郎師が就任しています。歴史上これまで6名の方々が理事長を務めてきました。松井米太郎師(1938-1944年)、今泉真幸師(1944-1955年)、二代目今泉理事長就任後の1949(昭和24)年には財団法人として認可を受けています。続く村田四郎師(1955-1971年)、岸千年師(1971-1989年)、吉田信一師(1989-1996年)。そして大宮溥師が1996年に理事長に就任し、最長となる24年間を務められ、今年の12月をもって退任されます。これらの方々は聖書普及事業を推進するという働きを担い、日本のキリスト教会に多大な貢献をされました。

大宮溥先生の就任は、阪神大震災やオウム真理教事件が起きた1995年の翌年で、さまざまな被災・被害に遭った人々への救援活動が行われていた時でした。その後、2000年に「東京大聖書展」を、前年に就任したばかりの総主事渡部信師と共に企画・開催しました。「東京大聖書展」は広くエキュメニカルな教会の協力を得て行われました。最も注目を浴びたのは「死海写本」の展示で、多くの来会者を招くことができました。私はボランティアとして参加しましたが、新宿区初台にある東京オペラシティの会場で、大勢の人々を誘導するお手伝いをしたことを思い出します。

2009年には「日本プロテスタント宣教150年記念大会」を企画しました。パシフィコ横浜での集会には、延べ16,000人の来場者が集いました。プロテスタント教会の教派・教団・教会ではこれまでにない広範囲の方々に関わって頂きました。その2年後、2011年に東日本大震災が起きました。JBSは聖書と関連書籍を贈呈し、被災した教会を支援しました。

さらに聖書協会は、一般財団法人へ移行しました。2008年より新しい翻訳出版企画が始まり、2018年12月に「聖書 聖書協会共同訳」を発行しました。約20年間の大きな流れは大宮溥・渡部信体制の足跡であり、大きな功績(遺産)です。そのバトンを得て、私と次に選ばれる理事長は「新型コロナ恐慌」「アフターコロナ」の時代に立ち向かうJBSとして、進んで参ります。今後も皆さまのお祈りに支えられて歩むことができれば幸いです。

きょうだいたち、皆一緒に私に倣う者となりなさい。また、あなたがたと同じように、私たちを模範として歩んでいる人々に目を向けなさい。(フィリピ3:17)

このように大宮溥師はJBSの代表として、20年を超えるお務めを満了されます。一言では表すことができないほどの大きな感謝の思いを、私ども職員は持っております。いつもジェントルマンで思いやりのある対応、そして賢明に理事会などの会議を仕切るリーダーシップなど、私たちに模範を示し続けてくださいました。その事を心に刻んでこれからも歩んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

いと高き所には栄光、神にあれ。(ルカ2:14)

2020年12月15日

■日本聖書協会YouTubeチャンネル
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■2020年日本聖書協会クリスマス礼拝

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