【東京2020オリンピック・パラリンピック】カウントダウン

新設された競技会場(東京都新宿区)

スポーツの祭典 東京2020 オリンピック・パラリンピック の開催まで一か月を切りました。新型コロナウイルス感染症が収束を見ない中、さまざまな制約が課せられた一年遅れの開催となります。特に100年に一度と言われる新型コロナのパンデミックは想定外でした。しかし、「マスギャザリング(Mass gathering)と感染症」というテーマは以前からあり、日本集団災害医学会ではマスギャザリングを「一定期間、限定された地域において、同一目的で集合した多人数の集団」と定義しています。

少し歴史を遡ると、2018年の韓国・平昌五輪では【ノロウイルス感染症】が広がり、警備員や選手が隔離されました。2016年のブラジル・リオデジャネイロ五輪の際は【ジカウイルス感染症(ジカ熱の流行)】が警戒され、多くのアスリートが出場を辞退しました。2002年の米国・ソルトレーク五輪や1998年の長野五輪では【インフルエンザウイルス感染症】が大流行している中での開催であったと言われています。そのような経験から、国際的なマスギャザリング・イベントを開催するにあたり「公衆衛生と感染症に関するサーベイランス」が確立されました。

「サーベイランス(Surveillance)」とは通常、経済や感染症の動向を調査し監視することを言います。その目的は特に疾病に関するデータの収集、解析、対応です。感染症の発生動向を把握し、感染拡大を早期に探知し、正しく対応するために情報発信することは、あらゆる被害を最小限に食い止めるためのリスクマネージメントです。スポーツ競技そのものにも、事故や怪我というリスクがあります。リスクを減らすために、一定のルールと監視の下でプレーが行われます。オリンピックがこれらの基礎の上に続いてきた経緯があることを知りました。

実は、聖書協会世界連盟(UBS)のミーティングで似たような議題があげられました。それはUBSの世界大会(World Assembly)開催の是非についてでした。本来は今年アフリカのガーナで開催予定でしたが、コロナ禍で延期となり、現時点で今後の計画が立たない状態にあります。「Web会議システム(リモート)を活用して指導者たちだけで行うことで良いのではないか。」「連帯を確かめ合い、絆を保つためにはリアルで顔と顔とを合わせることが重要である。」二つの異なった意見が交わされる中、さまざまなリスクはあるが、リモートとリアルを合わせた「ハイブリッド方式」で開催を検討しようという流れになりつつあります。私はリアル開催を強く希望しています。

主の慈しみは絶えることがない。その憐れみは尽きることがない。
それは朝ごとに新しい。あなたの真実は尽きることがない。
「主こそ私の受ける分」と私の魂は言い、それゆえ、私は主を待ち望む。
主は、ご自分に希望を置く者に、ご自分を探し求める魂に恵み深い。
(旧約聖書:哀歌3:22-25)

約1年半にもわたる、新型コロナのパンデミックによって心身ともに萎えてしまい、新しいことにチャレンジする力や勇気を失っていないでしょうか。正直にいうと、私は昨年末かなりメンタル的に疲労困憊となり、積極的な思考ができない状態となりました。聖書協会の企画や見通しが立てられない苦しい時でした。しかし、ある時公園でヨチヨチ歩きの子供と若いご夫妻が遊んでいる様子を見、その微笑ましい光景と笑顔に励まされ、力と勇気を得ました。些細な出来事でしたが、その時どのような状況下でも恵みの神を信頼しようという新たな希望を得たのです。

熱戦に期待!

開催について、異なった考えや意見があることももちろん承知していますが、私は東京オリンピック・パラリンピックが多くの方々に希望を与えるような出来事となってほしい。競技に参加する世界中のアスリートの姿が、コロナ禍で苦しんでいる方々に力と勇気を与えるきっかけとなってほしいと願っています。開催まで残り1か月を切りました。密を避けて、大声を出すことは控えるなどのリスクマネージメントをしつつも、多くの方々と共に感動を分かち合い、応援していきたいと思っています。主の守りと祝福を祈ります

主の恵み

2021年7月1日