私たち自身の再発見(the Rediscovery of who we are)

新年あけましておめでとうございます。

主の年2022年が始まりました。私が総主事に就任して三年目に入るのですが、過去二年間はコロナ禍の下での聖書普及事業となりました。これまでの「常識」が覆され、具体的な活動において多くの変化を強いられました。直接現地に赴いての開催に代わり、リアルとリモート併用のイベント運営が標準化されました。感染防止と業務効率改善のために、リモートワークを取り入れ、ペーパーレス化を進めました。聖書協会世界連盟(UBS)の仕事もほとんどがリモートで行われるようになり、人の行き来が減少し、オンラインでの連絡や会合が大幅に増加しました。このような変化はコロナ禍が収束しても、良い部分として継続されていくだろうと思います。2022年も政府の積極的なDX推進により、更なる改善と新しい事業開発が進むことを期待しています。

昨年は年初に「信頼関係の構築」を目標として掲げました。一年を通してそのことを心に覚えて取り組んだ結果、成長の芽が出始めている手ごたえを感じています。さて、新しい年(2022年)はどのようになるのでしょうか。2021年の暮れに、『WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う』(サイモン・シネック著、栗木さつき訳、日本経済新聞出版)を読みながら、今年の目標を祈り求めていました。世界の政治経済や日本社会の現状を思いつつ、心に浮かんだ言葉は「私たち自身の再発見(the Rediscovery of who we are)」でした。具体的には次の3つの項目になります。

第一は、私たち日本聖書協会(JBS)が持つ「ミッション(Mission)」の再発見です。JBSのミッションは、UBS内で広く共有されているもので、「The Bible for All People - すべての人に聖書を」です。聖書協会運動は1804年に発足した英国聖書協会(The British and Foreign Bible Society)にさかのぼります。アメリカでは 1808年に発足したペンシルベニア聖書協会が初めで、それが米国聖書協会への流れになっていきました。日本では明治維新期の1875(明治8)年、横浜でスコットランド聖書協会が支社(北英国聖書会社)を設置した年を創設年と位置づけ、2025年で150年を迎えます。今年はそれに向けて、記念誌・記念式典・イベント開催の企画を本格化させる年となります。聖書普及事業の実態は変化しつつあります。デジタル化だけでなく、これまでリーダーシップをとってきた英国や米国の聖書協会の働きが変わり、南半球のキリスト教宣教が進展していく中で、頒布のあり方も変化しつつあります。日本の教会も少子高齢化の影響を強く受けており、後援会員の人数や世代のバランスに変化が生じています。日本語を母国語とする多くの方々への聖書普及と、世界中で行われている聖書普及事業への支援と協力をさらに進めていくべきと思っています。

第二は、私たちが掲げる「ビジョン(Vision)」の再発見です。JBSはさまざまな困難に遭遇しながらも、昭和・平成の時代を守られてきました。その基礎を担ってきたのが、団塊世代前後のキリスト者の方々でした。ここ数年でその世代が後期高齢者の年齢に達します。少子高齢化も一段と進み、教会・教団・教派を問わず、後継者問題が顕在化しています。「教会の伝道」の必要性が再認識されていますが、伝道(または宣教)の効果や結果が現れるまでには時間がかかります。「幻がなければ民は堕落する」(新共同訳・箴言29:18)と聖書は語りますが、備えがないと散り散りばらばらとなります。

「あなたがたのために立てた計画は、私がよく知っている――主の仰せ。それはあなたがたに将来と希望を与える平和の計画であって、災いの計画ではない」(聖書協会共同訳・エレミヤ書29:11)

JBSは2040年までの長期計画表をつくり、マクロ的視点を持って歩みを進めていきます。これから、国内・国外・教会・JBS内で何が起きるであろうかを想定し、神様への信仰を持って将来を俯瞰する試みを始めました。私たちJBSが、いつまでに、何を期待され、何に取り組むべきか。どのような企画を考え、どのような人材採用・育成を行うべきか、いつまでにどのくらいの費用を必要とするか。実際は3年先どうなるか分からないのが実態ですが、持続可能な組織運営と永続的事業を目指して青写真を描き始めていきます。

最後は、私たちに与えられているつながり「コネクション(Connection)」の再発見です。私たちJBSは常に日本の諸教会とのつながりの内で働きを行ってきました。その具体的な活動は、キリスト教出版業界、一般の出版/印刷業界、全国のキリスト教専門書店、または一般の書店とのつながりの中で行われています。制作・頒布・広報・募金活動において、後援会の方々、聖書翻訳の専門家の先生方、著名な有識者の方々、企業家の方々の、尊い協力と支援をいただいています。あらためてそのつながりの価値を再認識しながら、さらに新しい広がりを作っていくことを丁寧に進めていきたいと思います。JBSは2019年1月にAVACO=キリスト教視聴覚センターと合併し、視聴覚部が発足しました。その合併によるシナジー効果はまだ道半ばです。視聴覚教育が過去の遺物で終わることなく、メタバース時代に向けて大きく変貌できるように努力していきたいと願っています。

2022年に想定されているイベントは、

2月北京冬季オリンピック
4月成人年齢が18歳に引き下げ
5月沖縄の本土復帰50周年
6月銀座和光本館改装・新装開業
7月参議院選挙(2022/7/25までに)
10月「産後パパ育休」(出生時育休)制度の開始
秋頃西九州新幹線開業
11月アメリカ中間選挙
FIFA・W杯カタール大会

コロナ禍を乗り越えて、次の歩みへと歩を進めていきたいと思います。今年もお祈りとご支援をよろしくお願いいたします。

主の恵み

2022年1月7日

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