新型コロナウイルスへの対応に思うこと

「いと高き方を隠れ場とする者は/全能者の陰に宿る。 私は主に申し上げる/「わが逃れ場、わが城/わが神、わが頼みとする方」と。/ まことに主はあなたを救い出してくださる。/鳥を捕る者の網から/死に至る疫病から。/主は羽であなたを覆う。/あなたはその翼のもとに逃れる。/主のまことは大盾、小盾。」(詩編91:1-4)

2020年1月20日に、中国・武漢市を発生源とするウイルスが広東省で人から人への感染が確認されたというニュースが発信されました。それから事態は大きく広がり、AFP通信(2/28)によると新型コロナウイルス(COVID-19)の感染は中国本土で78,000人以上、その内2,740人が死亡。またその感染の広がりは中国と日本以外の48か国と地域にいたり、世界全体の感染者数は82,560人以上・死者数は2,813人という報道がありました(https://www.afpbb.com/articles/-/3270643)。

日本国政府は2月25日に「新型コロナウイルス拡大に備えた対策基本方針」を発表。その後、「2週間以内、大規模のスポーツ・文化イベントの開催中止・延期の要請」、「全国の小中高・臨時休校の要請」などが発信されました。

詳細は「内閣官房新型インフルエンザ等対策室」
https://www.cas.go.jp/jp/influenza/index.html

このような状況下で東京都内では教会の礼拝出席に関する注意や中止の報告があります。私どもJBSは3月7日から8日に沖縄県で開催予定であった「聖書協会共同訳セミナー・沖縄」を延期。また、3月23日から27日に横浜市で開催予定であった「Asia Affinity Alliance(通称トリプルエー[AAA])会議」を中止する決断をしました。これらの集会の延期・中止を決断した理由は参加者とスタッフの安全を保証することができないことにあります。「最悪を想定し、今できる最善の備え(対策)をとること」が危機管理の基本であるからです。過去に私はさまざまな自然災害の緊急支援活動に関わる中でそのことを学びました。まことに残念ながら今はそのような状況です。

今回の新型コロナウイルスは肺炎にいたらせる病ですが、ウイルスによる疫病は古代にも起きていたものです。旧約聖書にはしばしば疫病の言葉が登場します。ある時はその時代の災害として、また別の時は人々への懲らしめとして表れたりしています。

ウイルス性の病への恐怖心は、それが目に見えない(判断しづらい)所に要因があると言われています。インターネット上ではさまざまな偽りの情報も流布され、人々の恐怖心を煽っている動きもあります。不安は人間の正しい判断を妨げ、マイナス思考を増加させ、不安定さを生じさせます。まさに人間は脆弱な存在です。

それに対して、聖書は詩編91編にも見られるように、目に見えないが確かな救い主である神に信仰の目を開くようにと招いています。それゆえに、私たちが心に留めたいことは、病への恐怖心に打ち勝つために必要なのは第一に神への信頼心にある、ということです。聖書の神への信頼を旨にし、多くの方々のために主の平和と守りを祈りたいと思います。

2020年2月28日