聖書は薄い紙で作られています。

聖書の紙は、繊維の強い針葉樹を主体とした木材パルプで作られています。

聖書はページ数が多いため、印刷用紙を薄くして本が厚くなりすぎないようにしなければなりません。また、繰り返し読まれるため、紙が強く破れにくいこと、しなやかでめくりやすいことが要求されます。

紙を抄造する際には、裏写りを防ぐために紙の不透明度を上げる工夫をします。炭酸カルシウム(練り歯磨きなどに使われる)やチタン(ペンキの顔料などに使われる)を紙の原料に混ぜ込むことにより、不透明度を上げることができます。
また、万年筆など水性インクでの書き込みにも耐えられるよう、にじみを防ぐサイズ剤を入れています。サイズ剤には、紙の表面強度を上げる役割もあります。

紙の色についても工夫が必要です。
聖書は1ページ当たりの文字数が多いうえ、和文の文字は画数が多いため、真っ白な紙に印刷すると読む人の目に負担がかかります。そこで、紙の色を淡くクリーム色がかった色にすることで、読みやすくしています。
(一部の聖書には、白色に近い紙が使われています。)

聖書1冊分(約2,450ページ)を、いろいろな紙で測ってみると…