7月23日に第7回の新約編集委員会が開かれ、マタイの前半、使徒言行録、そして第二コリントの検討が終わりました。これで、後はマタイの後半を残すのみとなり、11月に開かれる委員会が最終回となります。
今回の委員会で大変心に残った翻訳がありました。2コリ4章10節にあるネクロシスという言葉です。従来、「死」と訳されてきたのですが、ネクロシスは、単なる「死」ではなく、死にいくプロセスも含む言葉であるという説明がなされたため、「イエスの死」という従来訳でなく、「死にいくイエス」と訳しました。その結果「わたしたちは、死にゆくイエスをいつもこの身に負って生きています。それは、イエスの命もまた、わたしたちの身に現れるためです」となりました。様々な苦難や迫害に絶えず直面しているパウロが、自らを、死にいく十字架上のイエスと一つとする、その生き方の内に、実は、復活のイエスの命が現れるという、パウロの理解と思いがより現れる結果になったと思います。